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百鬼夜行シリーズ7作目の「陰摩羅鬼の瑕」。
前作まではとにかく緻密に築き上げられたストーリーと構成に舌を巻くばかりでしたが、今作はこれまでとは明らかに毛色が違い、ストーリーや構成以上にドラマに魅せられました。
とはいえミステリーですから人は死ぬわけで、それがハッピーな展開になるわけもないのですが、これまではあくまでフィクションとして、あるいはミステリーというエンターテインメントの枠の中での死として受け入れられていたのに、今回はどうしたって登場人物に感情移入してしまい心が抉られ暗鬱とならざるを得ないあらすじでした。
自分自身歳を重ね、もうすぐ(あるいは既に)人生を折り返すところまで来たことで、死生観や人生観、家族の意味や意義を考えることが増えてきた折、出会うべくして出会った作品なのかもしれません。
最近はワクワクするような映画がなかなか上映されないので、こうやって安定的に小説が読めるのは本当に有難いし、人生に重要なエッセンスを与えてくれるなと改めて実感します。
次回は一旦百鬼夜行シリーズはお休みし、有栖川有栖のアリスシリーズに戻る所存です。
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