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そもそも「百器徒然袋」とは何なのか。
『百器徒然袋』(ひゃっきつれづれぶくろ)は、1784年(天明4年)に刊行された鳥山石燕の妖怪画集。上中下の3巻。『画図百器徒然袋』とも。
参照:wikipedia
これをモチーフに書かれたのが京極夏彦の「百器徒然袋 風」。「百器徒然袋 雨」に続くシリーズ二作目。
百鬼夜行シリーズが京極堂こと中禅寺秋彦がメインであるところ、こちらの百器徒然袋は榎木津礼二郎がメインのシリーズ。
百鬼夜行シリーズも爆裂に面白いのだが、こちらの百器徒然袋はそれを上回るかもしれない。とにかく榎木津礼二郎のキャラクターが魅力的過ぎる。wikipediaによれば
眉目秀麗、頭脳明晰、運動神経もよく、絵を描く技術も一流、音楽も好きでどんな楽器の演奏も得意、喧嘩も強いうえ、旧華族のやんごとない生まれという一見非の打ち所のない人物。だが、本人はあらゆる社会的地位に無頓着で、自身は神の子であり探偵は神の就くべき天職であると豪語し(誇示しているわけではなく素直にそう思っている)、中禅寺兄妹及び中禅寺と関口の妻以外の周囲の親しい全ての人間を「自らの下僕」と標榜し、時として面白いものを子供のように追究する天衣無縫な変人。
という、とにかく滅茶苦茶な人物なのだが気づいたときには夢中になって彼の一挙手一投足が気になってしまっている。
今作も余すところなくその活躍が凝縮されており、スピンオフとして扱うには恐れ多いほどの魅力が詰まっている。
とはいえ、百鬼夜行シリーズを見ないままこちらの百器徒然袋を見るのはもったいない。
ぜひとも百鬼夜行シリーズの1作目「姑獲鳥の夏」から手に取ってみてほしい。

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